オオイシ マナMANA OISHI
獣医師経験5年
インタビュー
転職のきっかけ
整形の専門病院で1年強、大学病院で4年間研修医として勤務していました。研修医のうち2年間を呼吸器専科として従事し慢性期の呼吸器疾患を学びましたが、急性の呼吸器疾患や循環器疾患併発時への対応を学びたく、救急病院での勤務を希望しました。急性の呼吸器疾患に関するセミナーで度々拝聴していた塗木先生の下で修行を積みたいと思い、当院を見学したことがきっかけとなります。研修医の間に当院でのアルバイトを開始しましたが、質問や相談がしやすく、何より自分自身がありのままで過ごせたこともあり、常勤としての勤務を希望しました。
私たちがここで働く理由
前述の通り、入社当初の志望理由は呼吸器疾患を極めるためでしたが、1年間経った今では命を紡ぐ救急医として成長したいためと変わりました。今まで上司の指導の下診療を行なってきたため主治医としての経験はなく、同期の中でも臨床力はダントツで持ち合わせていませんでした。自分に実力がないせいで救えないのではないか…毎日のように悔しい想いを数多く味わいました。その中で経験豊富な先輩たちの背中から学ぶことは多く、たとえ救えなくても最期の担当医が私でよかったという飼い主様からの温かいお言葉に励まされ、気がついたら早1年。必ず次に活かして1%でも救える可能性を高めるため常に自分の知識をアップデートしていく、今は救急医療が楽しくて仕方がありません。
ここで得られた経験や知識
救急医療では身体に今何が起きていて命を繋ぎ止めるには何が必要か、つまり『森』である病態の把握を第一に行います。安定化を図り、その上で病態に関与している原因への精査を行っていく。大学では原因精査を目的に紹介を受けることが多いため『木』の種類を吟味しています。頭の使い方が全く異なるので救急脳になるまで時間がかかりましたが、当院で『森』を見てざっくりと『木』を見渡すことを学びました。また画像からの判断は可能でも自分自身で心臓超音波検査を当てたことがなく、胸水心嚢水を抜去したこともない、実力がない状態で入社しましたが、診療に困らない程度の技術は得られた事を思うと毎日が駆け足ですがとても充実した日々を過ごせています。
次のステップや目標
挿管管理で生存退院させることが1番の目標です。抜管してもう一度ICU内で飼い主様と目を合わせて会ってほしい、でも可能であればその先にあるご自宅でもう一度過ごす時間を作ってほしい。挿管管理は循環管理もかなり重要となるので、日々の入院管理や麻酔管理を通して日頃から安定した身体に優しい循環管理を身につけたいと思っています。また現在も大学で研修しているため普段の診療で悩んだことなどで専門家の方々にご教授いただいたことを診療に活かしながら、各患者・各ご家庭にとってベストな医療を提供できるよう今年度も精進していきたいです。